女友達の紹介。

ありがたい事に、こんな私に男性を紹介してくれるという友人がいた。

友人いわく自分は人を見る目に長けているので、そういう相性など分かるというのだ。

実際に紹介した中で結婚した人も付き合ってる人もいる。

そんな成婚率高い結婚相談所ですよ的な前フリを聞き、単純な私は壮大な期待を寄せていた。

 

まさこが絶対好きなタイプだと思うから!

 

と、相手のラインを教えて頂き、

相手のスペックは年上で、私が好きそうなタイプという情報をもとに、

我々は連絡を取り始めた。

ラインのアイコンがアニメだったので、

恐らくアニメが好きな人かと思い、話をふるとゲームのキャラらしく、

壮大なゲームの話が始まった。

 

程なくして我々はご飯に行くことになった。

 

待ち合わせ場所で初対面を果たし、店に向かうとき、彼の歩調が恐ろしく早い。

そして会ってから全然目を合わしてくれない。あー。終わったな。露骨だなぁ。と思い店に到着。案内された席がカウンターだった。

彼はおもむろに椅子を私から引き離して着席した。悲しい気持ちになりながらも、話をしていると話題は仕事のことになった。

仕事何してるのか聞くと、あーそれ聞いちゃう?○○(大手)だよ。と。

仕事何してるのか聞いたのに会社名言ってくるって、何なんだろう。と疑問に思いながらも話の流れが恋バナに。

話をしているうちに彼はモテるらしい。言い寄ってくる女は多いがどれも自分のタイプではなく、門前払いをし、逆に自分が好きになった女には振り向いてもらえず、そのショックで体重が何キロ減ったという恋バナを長々と語ってくれた。要するに彼女がいたことがないらしい。

お酒が進むうちに地元の友達はみんな結婚して楽しそう、俺も大学いかずさっさと働いておけば良かった。というここは関西ど真ん中だというのにフリもオチもないしょーもない後悔話が始まった。

大学も名門に行っていたというので、大学ならではの楽しかった事などあったのでは?と質問すると、ずっと寮に篭ってゲームをしていたとの事。そらバーチャルで戦ってたら現実世界で素敵な出来事は起きませんよね。

バイトもせずに親の仕送りで過ごしていたらしい。なんとも贅沢な環境なのだが、一ミリも羨ましいと思わなかった。

 終始○○しとけば良かったと犬も食わない切ない中年の後悔話を深夜まで聞かされた。

失恋話も最初は向こうから告白してきたくせに急に連絡取れなくなったとか、端から見たらそれ完全に遊ばれてるやん的な話を延々としていた。

最初はわたしも猫を被ってうんうん聞いていたが、せっかちな私は途中で飽きてしまった。彼の話を聞いているフリをしながら、

この男性のどこを私が気に入ると思って友人は紹介してくれたのだろう。とそんな事をぼんやり考えていた。

私はこの男性とコミニュケーションを取る前に友人の誤解を解くほうが先決かもしれない。